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ジャンプを斜めと正面から見るブログ

※連載陣についてあれこれ、NERU-武芸道行-を追加。2017年度連載作品の記事に個人的評を追加。※週刊少年ジャンプの掲載順バレ・打ち切り戦線考察、掲載順データなどを取り上げてます。内容バレは取扱いません。

男目線の『おそ松さん』

新年一発目、ジャンプとは全く一切合切関係ない個人的趣味話です。





只今色々話題を生んでいる『おそ松さん』が何でここまで人気を集めたか、個人的考察をしてみようと思います。



そもそも何故これを書こうと思ったかですが、『男によるおそ松さんの人気考察』はフィルターが掛かりすぎて首を傾げてしまうものばかりだから。
多分ですが、おそ松さんを好きでも無いけど話題だし適当に取り上げてみるか、という出発点のせいでしょう。
好きじゃない、そもそも碌に見てもいない、的が外れるのもさもありなん。

何分「個人的」止まりなんで完全に的を射た考察にはならないでしょうが、好きな者なりにそれなりに考えて、ごく一部ですが連ねてみようとは思っております。















【1話のイケメン達に食い付いたんだろ?】

よくある見解ですね。が、それが全てと思ったら大間違い。

大前提ですが、あらゆる方向における人気は、通常6つ子>イケメン(F6)です。ここを見誤ると、永遠に誤解と的外れのループに迷い混みます。
実際制作側も、F6を売り出し最大の武器にしようとは考えていません(一部グッズ除く)。
以降の話でも、松汁(放送予定から外され1巻新規収録になった話)とクリスマスおそ松さんの1パートに今の所は出番が留まるなど、あくまでも飛び道具の一種だと見て取れます。

じゃあ、1話であれを出した意味は何か。
誤解を恐れず表現すれば、F6…更に広げればパロディ満載で彩った1話は『壮大な釣り』です。

例えば、ただ単に『おそ松くんのリメイク』を作ったとして、果たしてどれだけの人達が振り向いてくれたでしょうか?

私の場合は『おそ松くんのリメイク』という時点で完全な地雷と見ていたんで、存在を認識すると共に関心の外になりました。
原作は確かに名作ですが、それを今更掘り出してきて作り直した所で、今現在でもちゃんと受ける作品にはならない…という経験則から、そういう類いについては半ば自動的に避けてしまうのは節理。
そして同じように思った人達、結構いたのでは?

そこであの内容。
見た人は呟きます、所謂まとめサイトや感想ブログも「おそ松さんがやりやがった!」と取り上げます、ニコニコに動画があがります。
耳目を集めます、関心を呼びます、そっぽ向いた人達も振り返ります。
「ただの2010年代おそ松くん」をやるよりはずっとずっと、大きな宣伝効果があったでしょうね。試みは成功です。

ただ、この段階ではあくまでも色物です(ギャグアニメですから当たり前ですが)。
これだけでは現在のようにファンアートが溢れたり、動画の再生数が軒並み伸びたり、DVD・BDの予約数が増えたりはしてくれません。
この辺を広げたのは紛れもなく6つ子のパーソナリティ付与の成功で、そこが発揮されたのは2話以降。
実際2話は6つ子全体の人となりの紹介と個々のキャラに焦点が当てつつ現代風ギャグを展開しており、「色物」から「6つ子」や「6つ子個人」ひいては「おそ松さん」に関心が向くように出来ています。

『撒き餌』で人を呼んだ上で『作品・キャラ』で勝負。
これが上手くいったからこそ、今の動きに繋がったと言えます。





【でも声優の事しか見てないんだろ?】

確かに錚錚たる面子ですね。
でも仮に声優「だけ」の人気と仮定して、この声優達が今まで声をあてたキャラ達は、或いはその声優が出演しているアニメは、悉くここまで人気が爆発していたでしょうか?

主演陣が人気声優である事の否定は無理がありますし、人気の一翼・何割かを担っているのは間違いない事実でしょう。
イベントチケットに関心が集まるのも、その証左と言えます。
が、果たしてそれが全てか、と言われると疑問符が浮かびます。

本当にそうであれば、1話放送前に今と比べられる程度の関心や支持が集まっていても不思議ではありません。
キャスト発表時にもそれなりに取り上げられたようですから、声優ファンの大多数にも知られなかったなんて事は無いでしょうし。
しかし実際に人気が明らかに上昇したと言えるのは2話や3話が放送された後、『おそ松さん』が本格的に動き出してから。
またキャラの人気の集まり具合にしても、声優人気と必ずしも軌を一にしている訳でもないようです。
これは、キャラそのものにある程度以上の好感…声優以外の面での好感が生まれているからこその現象ではないでしょうか?
キャラ自体、アニメ自体にも支持が集まっているからこその、多種多様な方向への広がりが生まれたのだと思います。

こういう場合「もしキャストが全員新人声優や無名声優ばかりだったらこんなになってないだろ」という意見も偶に出てきますが、意味の無い仮定です。
『赤塚不二夫生誕80周年記念作品』のキャストを、新人無名ばかりにする制作陣はそうそう無いでしょう。
一人二人なら万が一あったかも知れませんが、現在繰り広げられている活劇は演技力を求められる場面が多々あります。
となると演技が拙い声優ばかりで固める訳にはいかず、結局四人五人は中堅以上の声優になりますから、それはそれで「声優人気だけ」と言われていただろうと簡単に想像出来ます。
つまりこの「もし」は有り得ない、結論ありきの為に持ち出す無理のある論調でしかないと言ってしまえます。





【6つ子人気】

では何でここまで人気が出たか。
最大の理由は上に挙げた通り、6つ子の絶妙な個性化です。

原作・一期・二期と6つ子は一貫して明確な個性を与えられていませんでした。
容姿は単語そのままの意味での判子、性格も比べてみたら・並べてみたら分けられるかな?ぐらいしか差がなく、一つのキャラクターの範囲に留まっています。
言わば「6つ子」という一キャラでしかなく、それ故に単体で強力な個性を持つイヤミやチビ太に主役や人気を奪われました。

それが『おそ松さん』になるにあたって、6つ子それぞれに性格や容姿に明確な差違が「6つ子を捨て去る事なく」生まれました。
容姿の基本造形はあくまでも『おそ松くん』のままなれど、視聴話数を重ねれば容易に見分けがついてしまう程の違い。
性格は「こいつならこういう時こうするだろう」と容易く想像がつく程に個別化され幅が広がりました、根幹は「バカ・クズ・童貞」と見事に共通したままに。
それらは「個々」への魅力の発展に繋がるだけでなく、根っこや基本は似た者という「6つ子」要素も捨てていない為、6つ子達だけで6つ子達によるバラエティーを展開出来るようになりました。
例えばカラ松とトド松では、全く同じ場や全く同じ状況を与えられても違ったドラマが繰り広げられるのは間違いなく、そう言った期待や想像をファン間で生み出しています。
ここに6つ子それぞれとの関わりまで加わりますから、広がりは飛躍的なものに。

強引な言い方をしてしまえば『6つ子のタレント化・アイドル化』。
この試みが見事成功し、各兄弟に多数のファンが付く事になります。
面白いから、笑えるから、萌えるから、格好良いから。全てキャラが魅力的だからこそ挙がる感想であり、個性を手に入れたからこそ生まれる印象です。

6つ子をここまで個性的にせずして、今の爆発的人気はもたらされなかったと断言します。
よしんば昔の「無闇なリスペクト」として変わらずイヤミやチビ太を中心とした作品にしてしまっていたら、他のどれを現代に寄せても色んなリバイバル失敗作の山に埋もれてしまっていたでしょうね。

しかし何でも変えればいい訳ではなく、彼らの基本造形は多少頭身は上がりましたが昔からの姿そのままです。
これも非常に大事であり、所謂「標準容姿のギャグキャラ」の彼らだからこそ、何をやっても大体許されてるし、許されるから好き放題出来ます。
これが今よりイケメンでもブサイクでも、今まで展開されたギャグ描写は痛々しく映っていたでしょう。
ただただ痛々しいだけでは笑いも許容も生まれず、ここまでファンが増えたり根付いたり発展したりは有り得ません。

簡易で不快感も選り好みも起きない不変的赤塚デザインだからこそ多数の人々が飛び付けたのです。
残すべき部分は変えず、変えるべき箇所は遠慮なく手を加えるという「正しいリスペクト」が6つ子の絶妙な個性化を生み出し、今の成功の原動力となり得ました。





【今風バラエティー】

赤塚作品は漫画界・アニメ界における不動の金字塔です。
しかしお笑いの形式は時代によって変化し続けている為、金字塔をそのまま持ってきて果たして受け入れられるかも、「懐かしい」以上に発展してくれるかも分かりません。

一方『おそ松さん』で展開される笑いは、ツッコミの強さが分かりやすいですがかなり今風、若い人達にも馴染みのある類いと言えます。
しばしば銀魂やダウンタウンに準えられますが、これは監督が銀魂や実際のコントに携わった経験もあってでしょう。
とにかく、ギャグの金字塔を扱うにあたり、敢えて元の笑いの技術の部分をある程度捨てて今風に寄せてしまっているのです。

これが上記にあげた「6つ子達のタレント化・アイドル化」と非常に噛み合います。
個性を手に入れたキャラが個性を武器にバラエティー溢れる内容で動き回る、漫画ではなくアニメでこそ出来るテンポをこれでもかとぶつけてくる、今にこそ受ける作品の出来上がりです。
更に色使いが原色ではなくライトでパステルカラー的なオシャレなので、古くささをかなり打ち消して「おそ松くん」が「今のキャラ」にリテイクする効果を生み出しています。

そのどれもが、今の人が付いてくる作りに繋がります。
6つ子が無個性なままでも、昔ながらの懐かしギャグでも、ここまで今に則した人が付いてくる作品に結び付きはしなかったでしょう。
昔のギャグのままでも話が作れたのは1話の白黒パートから窺い知れますが、そこではなく今に沿う事で取っ付き易さを生み出す。古いとは見られない。
商業的にも作品的にも正しい決断だったと見ていいでしょう。















【最後に】

今触れた2つは、あくまで私が思うウケた理由の一部であり、全てではありません。
と言うか、語り切るにはスペースが足りません。
そんな一部分からも見えてくるのは、制作側の「このアニメを視聴者に楽しんで貰おう」と頑張る上での計算と考えです。

漠然とキャラを借りて並べるだけ、自分達がやりたい事をやるだけ、取り敢えず人気の演者を集めるだけ、ただ挑戦してみるだけ。
そんな姿勢では決して『おそ松さん』は完成する事も、今のような人気を集める事も無かったと言い切ります。

逆に言えば、そんな姿勢ではなくしっかり作られているからこそ、沢山の人が注目して支持をし、更にその周りに良くも悪くも人が集まってきているのでしょう。

人が集まるには理由があります。
大前提として、面白くない作品は見続けて貰えないんです。
面白いから、みんな見続けているのです。
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  1. 2016/01/10(日) 00:00:01|
  2. 掲載順や感想以外の話
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

声優とかでなにかと腐女子人気はすごいと思いますが、まあ原作も面白いですし、釣り方がかなりうまくいったと思いました。
1話がお蔵入りしたと言っても、ちゃんと釣れましたからね
また、やっぱ個人個人に個性が出たのが良かったです
6人じゃなく、1人として区別できるのがよかったですね
今では特定のキャラを好きになるという人は多いですから
まあやっぱ釣りがうまくいったアニメでしたね
  1. 2016/01/10(日) 09:05:26 |
  2. URL |
  3. スマッシュ #-
  4. [ 編集 ]

>スマッシュさん
個々のキャラに人気が集まるのは昔と同じですが、深夜なので懐かしい以上を求めた結果の6つ子スポットな感じでしょうか。
まあスポンサーが強い分ここまでの期待はしていなかったでしょうが、多分制作側が一番驚いているでしょう。
  1. 2016/01/12(火) 16:14:11 |
  2. URL |
  3. 桐嶋 #kpJ1N7xQ
  4. [ 編集 ]

そもそも、1話のあれ、腐女子人気ないと思います(もちろん、ガチホモ人気も)。
私がしる範囲では、「腐女子をからかった」ようにみえて不快に感じたという腐女子もいたくらいです。
腐女子に差別意識が強い一部のネット民が、腐女子にこびたと騒いでいるだけで、腐女子自身はむしろ、ふだんのおそ松くんのパロ絵を描いているくらいです。
もちろんF6萌えという腐女子もいますが。
  1. 2016/01/15(金) 21:08:11 |
  2. URL |
  3. #-
  4. [ 編集 ]

>3さん
あれで各種順位が上がったとかは全くありませんからね、まさに釣り餌です。
ノーマル6つ子がF6の衣装を着たグッズが出た方が余程馬鹿売れするでしょうね、出ませんけど。
  1. 2016/01/16(土) 22:02:25 |
  2. URL |
  3. 桐嶋 #kpJ1N7xQ
  4. [ 編集 ]

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